D24Hについて

災害時における保健・医療・福祉の支援活動を総合的に支援するオールインワンシステムです。複数のシステムと連携・集約した情報提供にとどまらず、支援活動を行う関係者間の円滑なコミュニケーションを可能にする環境も提供します。 D24Hは、被災地の情報を地図上で可視化したり、ファイル形式で取得したりする機能を備えており、チャットによる会話や複数ファイルの共有も可能です。さらに、単に複数の情報を重ね合わせるだけでなく、情報の集計・分析を自動で行い、表やグラフとして提供するほか、生成AIを活用した情報抽出も行います。  D24Hが提供する情報は、支援活動に携わるステークホルダーが必要とする形で適切に提示されるよう、日々更新・改善されています。

D24H Survey
(情報収集・集約)

災害時の保健・医療・福祉分野に関するさまざまな調査を一元的に管理するツールです。
施設ごとの調査票を自由に設定でき、避難所・保健所・福祉施設などの情報を迅速に収集。
施設マスタや帳票IDをシステム内で統合管理しているため、入力・集計・可視化を同じ環境で実現します。
例:避難所の開設状況、要配慮者支援状況、感染症発生状況などの把握。

D24H Cloud / Task / Chat
(情報共有・連携支援)

行政機関や支援チームが同じ環境で安全に情報を共有できる運用基盤です。
報告書や地図を共有するCloud、作業進捗を管理する Task、現場と本部を結ぶ Chat が連携し、情報伝達と意思決定を効率化します。
例:避難所からの報告共有、チーム間の連絡調整、タスク進捗の一元管理。

D24H Analyzer
(自動分析・意思決定支援)
収集された情報をもとに支援の優先順位を算定し、最適な行動計画を提示します。
AIと統計的手法を用いて、支援対象の抽出や巡回ルートの最適化、
将来的な物資需要の予測などを自動で行います。
例:支援優先施設の抽出、避難所巡回ルートの最適化、人員・物資需要の予測。

D24H Dashboards
(情報の可視化・共有)
収集された保健・医療・福祉の情報を地図やグラフで分かりやすく表示し、
現場と行政が同じ画面で状況を共有できる可視化ツールです。
統合的な情報管理により、地域別・期間別の変化を即時に把握できます。
例:避難所ごとの人員推移、支援物資の分配状況、被災施設の稼働状況の可視化。

実災害における活用実績

・令和2年7月豪雨(熊本県人吉市)
2020年7月に発生した熊本県人吉豪雨では、D24Hが避難所や医療・福祉施設の被災状況を集約・共有する基盤として試行的に導入されました。被災施設の位置情報や避難所の環境情報を登録し、
「ラピッドアセスメントシート」に基づいた入力によって、従来1日以上を要していた状況把握を数時間で可視化することが可能となりました。

・令和6年能登半島地震(石川県)
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、D24Hの一部機能を緊急的に開放し、石川県保健医療福祉調整本部、保健所、DMATなどの災害医療チームで活用されました。
避難所の開設状況やライフラインの断絶、衛生・感染症対策などに関する情報を、現場職員が入力・共有することで、避難所環境の改善や支援優先地域の特定に貢献しました。さらに、後方支援として、DICT・JDA_DATなどとの情報連携も一定の範囲で行われた活用も確認されています(※連携内容・範囲は自治体・関係機関ごとに異なります)。
発災後には約400か所の避難所情報が登録され、延べ4,500件以上のデータ更新が行われ、リアルタイムでの状況把握と迅速な対応調整を実現しました。

〈問い合わせ〉

D24Hに関する問い合わせ、訓練のご要望については
以下よりお気軽にご連絡ください。
contact@d24h.mhlw.go.jp